令和2年度は、GIGAスクール構想により義務教育課程の1人1台端末の整備に目処が立ちました。こうなってくると、高校生の1人1台は実現するのかが、気になるところです。
文部科学省 高校生1人1台端末整備を検討
(令和2年12月1日加筆)
この記事を書いた翌日に高等学校の1人1台端末の整備について報道がありました。
2022年度の新1年生に1人1台のパソコンやタブレットの整備を検討していることが30日、関係者への取材で分かった。
共同通信
私は、2021年度ではなく、2022年度という点が疑問に思いました。国の第3次補正予算の発表に合わせての報道とは思いますが、1年かけて調達していくのでしょうか。
経済的に困窮する家庭への重点的な支援とあるので、GIGAスクール構想のメニューにもあるモバイルルーターの整備にも補助を出すのではないかと思います。
既に整備している都道府県もある中で、どういったスキームを用意するのか、気になるところです。
- 義務教育課程の端末は、1台あたりの単価は4.5万円が設定されたが、今回も同じ単価なのか。
- 高校生用の端末となるため、性能も高いものを用意する必要があるのでは。
- 令和2年度の整備では、3クラスに1クラス分の地方財政措置分は自治体負担となっていたが、今回も同様なのか。
- 新入生の台数はどうやって算出するのか。
- 仮に中学3年生の生徒数を調達した場合、私立高校に進学する生徒はどうするのか。
情報が少ししか出ていないため、詳細がもう少しはっきりしないと対応しづらいかなと思いました。
今までの経緯
日本経済団体連合会の提言
経団連が、GIGAスクール構想の早期実現に向け、全ての児童・生徒がいかなる環境でもEdTechを活用して学べるよう、第三次補正予算で実施すべき施策を提言しています。
その中でも 高校生の教育用端末一人一台の整備 が1番に出ています。
Society 5.0で活躍する人材に必要なデータ分析・AI活用スキルを高校在学中に習得できるよう、高校生一人につき一台の端末を、国の新たな財政措置によって早急に整備すべきである。各自治体の導入目的を起点に、自治体予算の上乗せなどにより最適な端末を選択できる柔軟な財政措置が求められる。例えば、デザインやプログラミング、統計分析などの専門性を高めたい生徒には、専門のソフトウェアや高性能の端末を整備すべきである。
経団連 令和二年度第三次補正予算案に向けたEdTech緊急提言 より
自民党の教育再生実行本部
義務教育段階を対象に進められているGIGAスクール構想での1人1台端末整備は、高校にも必要だとする提言を文部科学省に提出したとの記事がありました。
提言本文はweb上で見つけることが出来ませんでした。
教育新聞 高校の1人1台端末を提言 「地域間格差なくす」自民党
既に整備している都道府県
佐賀県
佐賀県は、早くから、1人1台の整備を進めています。これまでの取り組みを踏まえて、平成30年度からは、県が購入した端末を生徒に貸し出すスキームで1人1台端末の環境を用意しています。
平成23年度からは、教育の情報化の推進目標と工程を具体化した「先進的ICT利活用教育推進事業」を、佐賀県総合計画2011において県の最重要施策に位置づけ、全県規模で取り組んできました。
これまでの取組
平成30 年度の1 年生から、これまで入学時に保護者にご準備いただいていた学習用パソコンを、県の備品として整備し、在学期間において貸し出すこととしました。
学習用パソコンの導入方法の変更について
保護者向けのパンフレットも公開されていました。学校でパソコンをどのように使うのか、QAもまとめられており、GIGAスクール構想を担当している自治体職員も参考になると思いました。
https://www.pref.saga.lg.jp/kyouiku/kiji00332619/3_32619_130895_up_4dekvxqa.pdf
岐阜県
県立高校と特別支援学校の生徒一人につきタブレット端末一台を整備するスケジュールを示した。
和歌山県
11月30日のニュースで、Surface Go 2 を全生徒分整備との記事が出ていました。
和歌山県、県立高校の全生徒に「Surface Go 2」配布 教育環境のIT化に活用
所感
今、中学3年生の子どもたちは、来年高校に進学したときに、「あれ、高校に進学したのに自分の端末がないの??」ってことを考えると、高校生にも1人1台は必要なことではないかと思います。
一方で、既に公費で1人1台端末を整備している県やBYOD※により整備している県も出てきています。今年度と同様に一律で補助金が出るのか、それとも別のスキームが出るのか、気になるところです。
今年度整備する予定がなかった自治体も来年度当初予算に向けて要求している自治体もあるかと思います。もしくは国の補正予算を受けて、動き出す自治体もあるかもしれません。
いずれにしても整備が加速することは間違いないと思います。昨年度から続いているGIGAスクール構想の流れが今後も良い方向に続くとよいと思いました。
※BYOD(Bring Your Own Device)とは、従業員個人が所有しているスマートフォンやタブレット、ノートPCといったデバイスを業務でも利用することをいいます。
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