GIGAスクール構想がスタートし、3~4年目にかかろうとしています。
そろそろ自治体担当者は、端末の更新をどのようにするか考えていると思います。私も気になるところです。
このブログでは、GIGAスクール構想の目的や背景について解説し、最新の端末更新の進捗状況についてお伝えしています。
学校教育におけるデジタルツールの活用は、学生たちの学習環境を大きく変える可能性を秘めています。そして、新たな端末の導入により、学校現場での教育の質や効率が向上することが期待されています。
今、GIGAスクール構想によって全国の学校での情報格差を解消し、教育の平等性を追求する取り組みも進められています。端末更新の背景や効果、そして課題について考え、GIGAスクール構想の未来を共に探っていきましょう。
そもそもGIGAスクール構想とは
概要
GIGAスクール(ギガスクール)は、主に令和2年度から展開されている教育ICT(情報通信技術)政策の一つです。
GIGAスクールは、全国の学校に高速かつ安定したインターネット環境を整備し、教育におけるデジタル技術の活用を促進することを目的としています。
具体的には、GIGAスクールでは以下のような取り組みが行われています:
- 全校全教室への高速インターネット環境の整備
学校内の全ての教室や施設に高速なインターネット接続環境を整備することで、児童・生徒がスムーズにデジタル教材やオンライン学習にアクセスできる環境を提供します。
- 児童生徒へのタブレットやノートパソコンの提供
学校では児童生徒に対して、タブレットやノートパソコンなどを提供する取り組みが行われています。これにより、個別の学習支援やオンライン授業などが可能となります。
- 教育におけるデジタル技術の活用
GIGAスクールでは、デジタル技術を教育現場で活用するための研修や教材の開発が行われています。教師や教育関係者に対して、デジタル教材やオンライン学習プラットフォームの利用方法を学ぶ機会が提供されています。
GIGAスクール構想は、ICTを活用した効果的な学びの環境を整えることで、児童・生徒の学習環境の均等化や情報リテラシーの向上を目指しています。特に、地方や離島などの地域における教育格差の解消や、デジタル時代に適応した教育の実現が重要な目標とされています。
GIGAスクール構想が目指す個別最適化学習とは
GIGAスクール構想が目指す個別最適化学習(こべつさいてきかがくしゅう)とは、学習者一人ひとりの特性や学習状況に合わせて、より適切な学習環境や教材を提供することを意味します。
従来の教育では、一斉授業の形式が一般的でした。しかし、個別最適化学習では、デジタル技術やICTを活用することで、学習者の個別の能力や進捗状況に合わせた学習支援が可能となります。
具体的な個別最適化学習の取り組みとしては、以下のようなものがあります:
- パーソナライズされた学習コンテンツ
学習者の興味や能力に合わせたカリキュラムや学習教材を提供します。デジタル教材やオンライン学習プラットフォームを活用し、学習者が自分の進度や関心に合わせて学習できる環境を提供します。
- 学習データの分析
学習者の学習データ(進捗やテスト結果など)を収集し、分析します。これによって学習者の理解度や苦手な部分を把握し、個別に学習支援の提案やフィードバックを行うことができます。
- オンライン授業や学習支援ツール
オンライン授業や学習支援ツールを活用し、学習者が自分のペースで学習できる環境を提供します。
学習者は自分の理解度に合わせて進めることができ、教師も学習者の進捗を把握し、適切なサポートを行うことができます。
個別最適化学習の目的は、学習者一人ひとりの個別の能力や特性を最大限に引き出し、学習の成果を最大化することです。
デジタル技術やICTの活用によって、より柔軟で効果的な学習環境を提供することが可能となります。
文部科学省令和6年度概算要求の資料を見て 2023.9.9追加
2023年8月30日、文部科学省の令和6年度概算要求の発表がありました。
資料にもあるとおり、今のGIGAスクールは、単年度に1度に一斉に整備されているため、更新のタイミングが一度にくることが課題となっています。
当初、この記事にも書いていたのですが、2025年度(令和7年度)での更新かと思っていたのですが、2024年度(令和6年度)予算で要求をしてくれているところは評価できると思います。
一方で、今の段階でも、難しいのでは?と思えるところもありました。
補助上限4.5万円は果たして適正な価格設定なのか
補助上限と書いてあるため、4.5万円で整備しろという意味ではないのは分かるのですが、昨今の物価の上昇を考えても、前回と同じ4.5万円での設定は自治体担当者としては厳しいものがあるのではないでしょうか。
地方財政措置があるとはいえ、4.5万円を超えた部分(それもいくらになるかまだ見込めない)を自治体負担で整備するというのは難しいと思います。
個人的には、この児童生徒用一人一台端末というのは、
端末 MDM 保証 この3点は必須と考えています。
MDMも値上がり、保証についても令和2年度に整備された端末の故障数等と踏まえて値上がりをするでしょうし、どこまで値段があがってしまうのか、少し心配です。
アダプタを付ければ活⽤可能な古い端末はリユースを徹底するって・・・どうやって?
まだ使える端末は、他の場所で使用するということかと思います。今まで教室で使っていた端末は、体育館や理科室で使いましょうといったことでしょうか。
児童養護施設などの福祉施設での転用なども該当するかもしれません。
でも、そもそもiPadやChromebookは6,7年も使うことを想定して作られていないような気がします。
148億円となるとどの程度の整備になるのかな~
前回の整備の当初予算が2,000億円以上だったので、あまりにも少ないのではないかと思って計算してみました。
148億円 ÷ 45,000円 = 328888.888889
え、32万台?
本当に令和2年度の早い段階で整備した自治体だけが対象となりえそうな、台数でした。
これだけ少ない台数となると、逆に中途半端な整備台数となり、自治体内でばらつきが生じそうな不安があります。
結論。
本格的な端末更新は令和7年度と思って良いかと思います。
デジタル庁の資料を見て
2023年6月9日、「デジタル社会の実現に向けた重点計画」が閣議決定されました。
国の政策として様々な分野におけるDXなどが箇条書きされていましたが、
教育分野においては、GIGAスクール端末を100%利活用して進めていく内容でした。
実際いつ更新となるか
更新時期に繋がる内容の資料がありました。その資料によると
- 令和5年度中に「新たなICT環境整備方針」を策定
- 令和6年度に「次期ICT環境整備計画」が策定
- 令和7年度に「新たなICT環境整備計画」に基づく措置
措置となっているので、前回と同様に国主導で、補助金を用意するようにも読み取れます。
新たなICT環境整備方針とは
そもそもICT環境整備方針は、今まで、下記のものがありました。
それが、次期策定については以下のように
学校のICT環境整備を持続的・継続的に進めていくことは重要であり、GIGAスクール構想を踏まえた成果や課題について検証等を行い、新たなICT環境整備方針の策定について、令和7年度に向けて検討を進めることとしていることから、当該計画期間を令和6年度まで2年間延長することとしています。
考察
令和5年9月9日更新
一人一台端末の更新時期について、自治体担当者だけでなく、メーカー担当者、保護者も気になると思います。
今回概算要求で更新をするという予算要求が発表がされたことは評価できると思います。
しかし、資料を読む限りでは本格的な更新は、2025年度(令和7年度)と思われるため、各担当者は、令和7年度に焦点を当てて、準備していかなければいけないと考えます。
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デジタル庁で教育ビッグデータなどの活用が議論される一方で、文部科学省では、端末の更新について議論している。ものがなければビッグデータの活用もないわけですが、必要な措置が取られることを希望します。
生徒用の学習端末もそうですが、教員向け端末も一緒に議論を進めてほしいと思う次第です。
教員向け端末について別の記事を参照してください。
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