GIGAスクール構想によって「生徒用」学習端末の整備は進みました。
しかし、教職員が学校で使うパソコンの整備は実際どうなっているのでしょうか。
現在の状況
文部科学省が公表している、令和3年度教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)によると令和4年3月1日時点で、125.4%となっています。
既に先生1人につき最低でも1台は、整備されていることが分かります。共用で1台とか…今の時代じゃさすがにやっていけないですよね。
そもそも校務用と学習用とは?
文部科学省が公表している情報セキュリティガイドラインより扱っている情報によって種類分けをしています。
用語 | 定義 | 使用者想定 |
校務系情報 | 児童生徒の成績、出欠席及びその理由、健康診断結果、指導要録、教員の個人情報など、学校が保有する情報資産のうち、それら情報を学校・学級の管理運営、学習指導、生徒指導、生活指導等に活用することを想定しており、かつ、当該情報に児童生徒がアクセスすることが想定されていない情報 | 教職員 |
校務外部接続系情 報 (公開系情報) | 校務系情報のうち、保護者メールや学校ホームページ等インターネット接続を前提とした校務で利用される情報 | 教職員 |
学習系情報 | 児童生徒のワークシート、作品など、学校が保有する情報資産のうち、それら情報を学校における教育活動において活用することを想定しており、かつ当該情報に教員及び児童生徒がアクセスすることが想定されている情報 | 教職員と児童生徒 |
今回考えていきたい部分というのは、赤く囲った部分の仕様について
首長部局の端末整備は、おもに情報システム部主導で進むかと思いますが、教職員向けの端末整備は、やはり教育委員会が主導となって進むかと思います。
学校における校務用端末はどういった用途か?
学校の校務用端末は、学校の管理や運営業務を支援するために使用されるパソコンです。
- 管理業務のサポート
校務用端末は、学校の日常業務を効率化するために使用されます。例えば、成績管理、時間割作成、生徒情報の管理、教職員のスケジュール管理などを行うことができます。
- レポートや文書作成
学校の校務用端末には、ワードプロセッサやスプレッドシートなどのオフィスソフトウェアが含まれています。これにより、テスト、学年だより、報告書、学校行事のスケジュールなど、さまざまな文書を作成することができます。
- データ管理
校務用端末は、学校のデータベースにアクセスし、学生や教職員の情報を管理します。これには、個人情報、成績、進学履歴、出席記録などが含まれます。
- コミュニケーションツール
学校の校務用端末は、電子メールやビデオ会議ツールなどを利用して、教職員間や教職員と保護者、学生とのコミュニケーションをサポートします。重要な情報の共有や連絡事項の伝達に使用されます。
- リソース管理
校務用端末は、学校のリソース管理を補助します。図書館の蔵書管理や貸出管理、購買管理、予算管理など、学校の資産や予算の追跡と管理を行うために使用されます。
- ネットワーク管理(教育委員会に該当する)
学校の校務用端末は、学校内のネットワーク管理を行います。これには、インターネット接続、ユーザーアカウント管理、セキュリティ管理などが含まれます。
学校の運営を円滑にし、教職員や管理者が業務に集中できるよう支援しています。
仕様
では、一体どういったことを考えて整備していかなければいけないか考えて見ようと思います。
- パフォーマンス
教師用端末は、複数のタスクを同時に処理できる高いパフォーマンスを持つ必要があります。教師は、授業資料の作成、インターネット検索、電子メールの管理など、さまざまな作業を行います。
- インターネット接続
教師用端末は、高速で信頼性のあるインターネットへの接続が必要になります。これにより、オンライン教育資源やコラボレーションツールを利用した教育活動が円滑に行えます。
- ディスプレイ
クリアで広い画面を持つディスプレイは、教師が教材や文書を見やすくするために重要です。多くの教師は、プレゼンテーションや教材作成のために大きな画面領域を必要とします。
- ソフトウェア
教師用端末には、教育関連のソフトウェアやツールがインストールされている必要があります。例えば、ワード、エクセル、プレゼンテーションソフト、学習管理システムなどがあります。
- セキュリティ
教師用端末には、セキュリティ対策が必要です。ウイルス対策ソフトウェアやファイアウォールをインストールし、データの保護とプライバシーの確保を行う必要があります。
これらの要素を考慮して、教師用端末を選定することが重要です。また、学校の方針や予算に応じて、具体的な仕様やブランドも選択する必要があります。
今後の見込み
いずれの要件も、必要なことは、予算の確保ではないかと思います。理想はどうであれ、必要な予算がなければ、できることも限られてしまう。
パソコンを使わずに仕事をすることがない今の世の中で、必要なパフォーマンスを満たさないパソコンが支給されることこそ最悪なことはないと思います。
学校の教職員が、ストレスなく仕事ができるように環境を整備することが必要なのではと考えます。
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